グラウンデッド生成
グラウンデッド生成とは、モデルが自らのパラメトリックな記憶のみに依存するのではなく、取得済みまたは提供された証拠に基づいて回答を生成し、さらに各主張の根拠となる出典を明示する生成手法です。これは RAG パイプラインの「生成」ステップに相当し、各記述をそれを支える文書に結び付けることで、ハルシネーションの低減と検証可能性の向上を目指します。
Grounded generation は、取得済みまたは提供されたエビデンスから回答を構築し、回答内の各主張を引用によってその出典に結び付ける出力手法です。
これはRAGの2段階(retrieval then generation)のうちの「generation」ステップであり、エビデンスを取得する grounding step とは異なり、実際にそのエビデンスに基づいて回答を作成し、引用を付けることに重点を置きます。
Google Vertex AI や Vectara などの商用 API は、回答とともに supporting chunks、claim-to-evidence mappings、grounding score(0〜1)を返し、回答の provenance を追跡可能にします。
その主な利点は、hallucination の低減と検証可能性にあり、回答を提供された素材のみに基づいて導くよう制約します。
ただし、引用があるからといって信頼性が保証されるわけではありません。研究では、モデルがすでに形成していた回答を正当化するために、後から出典を付ける「unfaithful citation」問題が報告されています。
Grounded Generation とは何か
Grounded generation とは、大規模言語モデルが学習時にパラメータへ記憶した知識のみに依存するのではなく、取得した、またはユーザーが提供したエビデンスに基づいて回答を生成し、その出典を引用する生成手法です。RAGパイプラインの retrieval-augmentation-generation フローでは、最終的な「generation」ステップに相当し、その本質はモデルの出力を検証可能な情報源に結び付けることにあります。 pipeline, it corresponds to the final 'generation' step, and its essence is anchoring the model's output to verifiable information sources.
grounding との関係を明確にしておく価値があります。grounding は、回答を事実の出典に結び付ける全体的な能力を指すより広い概念である一方、grounded generation は特に取得したエビデンスを使って実際の回答を書き、出力時に文単位で出典を付与する部分に焦点を当てます。言い換えると、「エビデンスを取得する(retrieval)」ことと、「そのエビデンスに基づいて回答を構築し、引用を付ける(generation)」ことを区別する場合、grounded generation は後者です。
Google Cloud のドキュメントでは、grounded generation(grounded answers、または RAG とも呼ばれる)は retrieval と generation の2段階であると説明されており、真実ではないコンテンツを生成してしまう可能性を減らすために、モデルの出力を特定のデータソースに固定する方法論だと定義しています。
標準生成とGrounded Generationの違い
Dimension | Standard Generation | Grounded Generation |
|---|---|---|
Knowledge source | 学習時に獲得したパラメトリックメモリ | 取得済みまたは提供されたエビデンス(文書、Web、データベース) |
ソースの引用 | なし(または事後的に任意で添付) | 各主張が、対応する証拠チャンクにリンクされる |
検証可能性 | 低い(出所を追跡しにくい) | 高い(証拠リンクを通じて追跡可能) |
ハルシネーションのリスク | 比較的高い | 比較的低い。提供された資料に制約される |
鮮度 | 学習時点で固定 | 検索時点の最新資料を反映できる |
RAGにおける位置づけ | 該当なし | 検索の後に続く「生成」ステップ |
商用APIの仕組み
Google Vertex AI の grounded generation API は、Google Search、インラインテキスト、Agent Search データストアなどの証拠ソースから関連情報を取得し、その内容に基づいて回答を生成します。出力には、出所を追跡できるよう次の情報が含まれます。
サポートチャンク: タイトル、URI、ドキュメントID、ページなどのメタデータとともに、ソースから逐語的に引用されたスニペット。
Grounding support: 回答内の各主張(claimText)を、それを裏付けるチャンクのインデックス(supportChunkIndices)に結び付けるマッピング。
Grounding score: 提供された証拠に回答がどの程度強く基づいているかを示す、0から1の値。
Vectara はこれを RAG サービスとして提供しており、「生成されたコンテンツが検証可能で、提供されたデータに紐づいていること」によりハルシネーションを低減できると説明しています。回答には標準で、データから導かれた事実の出典を示す引用が含まれ、Vectara は回答の事実的忠実性を測定するために独自の評価モデル HHEM(Hughes Hallucination Evaluation Model)も運用しています。
証拠と事例
グラウンデッド生成の利点は明らかですが、引用があるだけで信頼性が保証されるわけではありません。Wallat et al. (2024) の論文、Correctness is not Faithfulness in RAG Attributions(arXiv:2412.18004) は、引用の正確性と忠実性を区別しています。正確性は「引用された文書が実際にその主張を裏付けているか」を問うのに対し、忠実性は「その回答を生成するために、モデルが本当にその文書を参照したか」を問います。同研究では、現在の引用付き回答において最大57%の引用が不忠実である可能性があると報告されており、その原因として、モデルがすでに持っている回答に対して後から適切な情報源を付与する「事後合理化」が挙げられています。つまり、引用は形式上は正しくても、実際にその回答の出典であるとは限りません。
この問題の軽減を目指して、Xia et al. (2024) のGround Every Sentence(arXiv:2407.01796) は、ReClaim (Refer & Claim) アプローチを提案しています。回答全体を書いた後に出典を付けるのではなく、参照と主張を交互に組み合わせることで、文単位の引用を生成し、引用の一致精度が約90%に達したと報告しています。これは、グラウンデッド生成の品質が「引用が存在するか」ではなく、「主張と証拠が文単位でどれだけ忠実に結び付けられているか」に左右されることを示しています。