国産ASPからShopify移行 URLと構造化データの引き継ぎ

カラーミーショップからShopifyへ移行した1か月後に、検索流入が半分になったという相談があります。
最も多い原因は、旧URLから新URLへのリダイレクトが不完全なことです。日本のASPカートとShopifyでは、商品URLの形がまったく違います。旧URLに積み上がった評価は、リダイレクトがなければ新URLに引き継がれません。旧URLは404になり、検索結果から消えます。次に多いのが、構造化データとメタデータが移行で失われるケースです。構造化データは、ページの内容を機械が読める形で書いておく記述です。この場合は、リッチリザルトや引用が消えます。
この記事では、移行の時系列に沿って整理します。URL対応表の作り方、リダイレクトの設計、構造化データの引き継ぎ、移行前後で確認する指標の順です。
結論: 移行前にURL対応表を作り、移行当日にリダイレクトを入れ、移行後に指標で確認する
時期 | やること |
|---|---|
移行の1か月前 | 旧サイトの全URL一覧を取得。検索流入のあるURLを特定。構造化データ・メタデータを記録 |
移行の2週間前 | 新URLのハンドルを決め、旧URL → 新URLの対応表を作る |
移行当日 | リダイレクトを一括登録。canonical・構造化データ・サイトマップを確認 |
移行後1週間 | Search Consoleでクロールエラー・404を確認。主力ページの索引を確認 |
移行後1〜3か月 | 検索流入と順位を旧サイトと比較。旧URLの索引が消え、新URLに置き換わっているか |

重要な考え方: 移行で失われるのは「ページ」ではなく、「URLに積み上がった評価」です。ページを作り直すだけでは戻りません。旧URLと新URLを1対1でつなぐことが、移行の本体です。
移行前: 旧サイトの棚卸し
取得するもの | 方法 |
|---|---|
全URL一覧 | 旧サイトのサイトマップ、またはクローラーツールで取得 |
検索流入のあるURL | Search Consoleの検索パフォーマンスで、過去12か月のクリックがあるURLをエクスポート |
被リンクのあるURL | Search Consoleのリンクレポート |
各ページのtitle・description | クローラーツールで取得 |
構造化データの型 | 主力ページをリッチリザルトテストで確認 |
「検索流入がある」「被リンクがある」URLは、リダイレクトの優先度が最も高くなります。ブログで紹介された商品ページなどです。全URLをリダイレクトするのが理想ですが、数が多い場合はこの2つを優先します。
URL対応表の作り方
移行元ごとに、URLの形が異なります。まず、自分のショップがどの形かを確認します。
移行元 | 旧URLの典型 | Shopifyの新URL |
|---|---|---|
カラーミーショップ | /?pid=12345 のようなパラメータ形式 | /products/ハンドル |
makeshop | /shopdetail/000000001234/ のようなID形式 | /products/ハンドル |
futureshop | /fs/ショップ名/商品コード のような形式 | /products/ハンドル |
カテゴリ | 各ASPのカテゴリURL | /collections/ハンドル |

移行元の実際のURL形式は、自分のショップで確認してください。対応表は「旧URL, 新URL」の2列で作ります。商品コードや商品名をキーにして、機械的に突き合わせます。
ハンドルは、/products/ の後ろにつく商品名の部分です。旧URLに意味のある文字列があれば流用します。IDだけの旧URLなら、商品名の英数字表記で新しく作ります。
移行当日: リダイレクトの登録
Shopifyの「URLリダイレクト」機能で、対応表をCSVで一括登録します。
旧URLは、ドメインを除いたパス(パラメータ含む)で指定します
1つの旧URLは、1つの新URLへ向けます。多段のリダイレクト(旧 → 中間 → 新)は作らないでください
カテゴリ → コレクション、固定ページ → /pages/ も忘れずに
旧サイトのドメインをそのまま使う場合は、DNSの切り替えと同時にリダイレクトが有効になります
ドメインが変わる場合は、旧ドメインからのリダイレクトも別途用意します
登録後は、対応表から10件ほど実際に開いて、正しく転送されるかを確かめます。
構造化データとメタデータの引き継ぎ
項目 | 移行時の注意 |
|---|---|
title・description | Shopifyの商品ごとの「検索エンジンのリスト」に旧サイトの値を入れる。空のままだと自動生成される |
Product構造化データ | Shopifyテーマが標準で出力する。旧サイトで出ていた属性(ブランド、品番)が出ているか確認 |
BreadcrumbList | テーマまたはアプリで出力。旧サイトで出ていたなら移行後も出す |
Organization | トップページのみ。テーマまたはアプリで |
画像のalt | 商品画像のaltは移行で消えやすい。CSVインポート時に含める |
移行後は主力ページをリッチリザルトテストにかけて、移行前と同じ型が検出されるかを確認します。
移行後: 確認する指標
時期 | 見る指標 | 正常な状態 |
|---|---|---|
1週間後 | Search Consoleの「見つかりませんでした(404)」 | 旧URLの404がほぼない。あればリダイレクトの漏れ |
1週間後 | 主力ページのURL検査 | 新URLが索引済み |
1か月後 | ページレポートの「リダイレクト エラー」 | ゼロ。あれば多段リダイレクト |
1〜3か月後 | 検索パフォーマンスのクリック数 | 移行前の水準に戻る。戻らなければ対応表の漏れを再確認 |
一時的に流入が減るのは正常な動きです。3か月経っても戻らなければ、リダイレクトの漏れ、noindexの残り、canonicalの誤りを疑います。
移行が終わったあとも、見続けるもの
移行が終わっても、リダイレクトの漏れはあとから見つかります。昔の雑誌記事からのリンクが残っていれば、旧URLへの404は発生し続けます。テーマの更新で、構造化データの出力が変わることもあります。
Search OSは、Shopifyを含む移行後のショップを対象に、404・リダイレクトチェーン・canonical・構造化データの状態を継続的に確認します。ボットが取得している旧URLと新URLの対応や、移行で失われたメタデータを、修正対象として整理します。移行の作業を置き換えるものではなく、移行後に見落とされた穴を見つけ続ける層です。
よくある質問
旧サイトはいつ閉じていいですか
リダイレクトが有効になった時点で、旧サイトのページは不要です。ただし、旧ドメインからのリダイレクトを維持するため、ドメインの契約は最低1年は残します。
全商品をリダイレクトするのは大変です。省略していいですか
検索流入と被リンクのあるURLは省略しないでください。それ以外は、旧URLが404になっても影響は小さいです。
移行を機にURLを綺麗にしたい。旧URLと1対1でなくていいですか
統合(複数の旧URL → 1つの新URL)は問題ありません。分割(1つの旧URL → 複数の新URL)はできません。分割したい場合は、最も近い1つに向けます。
あわせて読みたい
参考資料
Google Search Central: Site moves with URL changes
Google Search Central: Redirects and Google Search
Shopify Help Center: Redirecting URLs
Shopify Help Center: Migrating to Shopify